龍華

「颯太。明後日だそうだ」
「おっけー」

「よし、行くか」
「えっ、どこに?」
「決まってんだろ。病院だろ」
「あ、そっか」

忘れてた・・・。
老化進んでる?
それはやばくない?

ってそこじゃなくね?!

「アホ、悠馬達忘れんな」
「え?」
「人間が一番恐れる事は、死ぬことより。忘れられることだ」
「・・・分かった」

その気持ちは十分分かるから。
これからは忘れないようにー・・・


って無理じゃね?!
だってだって。話してるときも忘れなかったら
もう、頭ごちゃごちゃなるじゃねぇか!!


「ぷっ」

そういってみんなで笑った。
一人の男が此方を監視していたことに気づかずに・・・。

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