禁断〜家族Game〜

秘密の夜に感じた柑の温もりは嘘だったのかな・・・




「つッ・・・・」

玲の瞳が涙で潤む


幸せだったはずの二人、、だけどあの日から柑は・・・


『玲〜。早く起きてご飯食べなさい。』

「アッ・・・はーい!!!」


もう一滴涙がパジャマに落ちる寸前、母親の声が廊下に響き渡った

家族の前で落ち込んだ顔を見せられない。
玲は少しだけ赤い瞳をゴシゴシと擦りながら着替えを始めた


蛇口から出る水の音が消えて、柑が階段を降りていく足音がする


リビングを開けて、母親に挨拶する声を確認したあとに玲も部屋を出た





・・トン、、トン、、

ゆっくりした足取りで階段を一段一段降りる

「玲。早くいらっしゃい。柑は起きて食べてるわよ」

母親が玲の足音に気がついて、台所から顔を出した


「はい、、はい、、」


なるべくいつもと同じトーンで朝の毛怠さを演じて見せ、何食わぬ顔でドアを開けた



表情はいつもと同じなのに、心臓だけは飛び出すほどの速さで動いている


目を伏せていても長年一緒にいるせいか、玲には柑がどこの席でどんな顔をして食べているのか分かってしまう


「玲・・おはよ・・・」


伏し目がちな玲の耳に柑の声が聞こえてきた




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