絶望の海 【青春・友情】
舞台から降りる男
『次に参ります電車は…』
構内にアナウンスが響く、僕の人生は復讐で幕を閉じる。
どこか満ち足りた気分で、電車を待ち、いよいよ死をもたらす電車はやって来た。
人混みをかき分け僕はホームへと進む。
そんな僕の腕を掴む者が居た。
先ほどの女子高生だった。
「返して」
「え?」
僕は質問の意味がわからずに問い返していた。
「返して」
電車はホームに着き人々が電車へと乗り込んでいく。
僕は死ぬ事を許されず、また死を待たされる事になった。