届かない想い…生きて。
蒼陽中学校の次に近い学校は、電車で3時間…。
到底無理な話だ。
私は施設を訪れた。
「こんにちは…。斉藤瑠華(さいとう りゅうか)ですが…。」
「斉藤さんっ!入って入って!」
中から優しそうな10代後半の女性が出てくる。
私は彼女の言うがままに施設の中へと入っていく。
「初めまして…斉藤瑠華ちゃんですね!私はこの施設の先生の西藤香恋(さいとう かれん)ですよ♪」
「はぁ…」
「記憶喪失なんだね~。大変だねっ!過去の事はほとんど覚えてないの??」
「はい…まぁ…。。」
この西藤香恋という女…。
私を小さい子供のように扱っているのか?
ふざけるな…。
バリンっ!
「きゃぁっ!?」
近くにあった窓ガラスを手でたたき割る。