届かない想い…生きて。

真実



「……捺紀…?なんでこんな所で寝てるの?」


はっ…!!


涼の声で目が覚めると、アタシはウサギのように大きくジャンプして飛び起きた。


「あれからずっと…寝てたんだ…。」


空はすっかり暗くなって、星が出ていた。

今の季節は、もう1月で真冬。


涼の吐く息は、白くなっていた。


「こんなに冷たい手になって……。もしかして、ずっと待ってた…?」


涼の温かい手で、冷えた手をギュッとされた。


涼の体温が、手のひらから伝わってくる。



「うん………ごめん…。」


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