届かない想い…生きて。
「外で話すのも寒いしアレだし…家に入って。」
「うん……。」
「涼…聞きたい事があるの…。」
「ん…なに?」
持っていたマグカップを机に置いた。
正直、聞こうかためらった。
でも今聞かなきゃ、いつまでたってもわからないままでいる事になるかもしれない。
「アタシ…まだ涼の事、よくわからない…。家族の事だって、どんな職業とか色々…。」
………。
「確かに…俺は捺紀の事は聞いて、俺の事は言ってなかった。ごめん…。」
「謝らなくていいよ…。」
涼は深々と頭を下げた。
それから涼は自分の事を語り出した。