届かない想い…生きて。
「だから、次期社長としての立場からおろされた。今はこうして、普通の一般人と暮らしてる…。」
涼の過去にそんな事があったなんて、思いもしなかった。
喧嘩しただけで、次期社長からおろされるなんて……。
アタシには考えもつかない。
「り…涼は、辛くないの…?」
「今は、辛くない…。捺紀がいるし……。」
アタシが涼の心の支えになっていたなんて………。。
「だから俺は偉い立場でもないし、権力もない。もちろん詐欺者でも殺人犯でもない…。今まで通り普通にしていてほしい。なんか、隠しててごめん…。」
「いや…アタシこそ…ごめん…………。」
「捺紀は謝らなくていい。な?」
「うん…。」