届かない想い…生きて。


怒りを抑えて


「凛は…いますか?」


あえて敬語で言った。


「凛?いますけど…?」


母親も敬語を使った。


「会わせて下さい。」


「じゃ、入って下さい。」


言われるがままに家に入ると、懐かしい香りが漂った。


2階の部屋のドアの前で、一旦止まると


「驚かないでよね…」


母親は一言、言うとドアを開けた。


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