駆け引き×スクープ2~雪月鬼~
「なるほどね…」
この息子は当時小学六年か……
今は三十代って所か
栗塚にはこの息子の顔に見覚えがあった。
「…………」
嫌な予感がする。
栗塚は資料室を出た。
「あ、先輩、ドコ行くんスか?」
「邪魔」
神田を蹴って鑑識科に来た。
ーコンコン
「どうぞ」
中からは女性の声
「邪魔するよ」
「壱十、どうしたの?」
壱十、と呼んだ女性
名前は
清水麗子(シミズレイコ)
栗塚の元恋人だ。
大人の色気が漂う。
白衣を身にまとう麗子
「悪いがコレ見てくれるか」
栗塚が先ほどの書類を見せる。
「見たけど…コレがどうかしたの?」
「息子の写真、今どんな顔なのか知りたい。モニタージュ作ってくれ。」
「構わないけど…なぁに?事件なの?」
「いや……ただの勘だ。それですんだらいいがな」
「クス…わかったわ、そこ座って、コーヒーブラックよね?」
「あぁ、悪ぃ」
そう言って栗塚は腰を下ろす。
麗子は自分の分と栗塚の分のコーヒーを入れて作業に取りかかった。