ヲタクの寄せ集め。
第1章
「お願いだ!ヲタ部に入ってくれ!」

昼休み、メガネの先輩に呼び出された。
何かと思ったら、部活勧誘だった。
そして、
「ヲタ部とは一体なんですか!」

うん。そこ聞いとこうね。
入るか入らないかはともかく、そんな得体のしれない部なんかないよね。
入らないけど。
すると、先輩はきょとんとして、
「え?だから、ヲタクを集めて駄弁る部。略してヲタ部。」
「そんな部なんで認められてるんスか…。」
「え?他にも映画鑑賞部、田中部、鈴木部、ヒーロー戦隊部…みたいのもあるけど。」
「うちの学校どんだけ生徒に甘いんですか。」
「田中部は田中姓が集まって駄弁る部。鈴木部も同じ。ヒーロー戦隊部はスーパーで活躍中。」
「や、説明はいいですから。それとなんでそのヲタ部さんが俺を誘いに?」

先輩は、どんと胸を張って「よくぞ聞いてくれました!」と言うと、
「ふっふっふー。俺は、なんと見てしまったのだ!」
「な、何をですか?」

俺、なんか悪いことしたっけな?と考えていると、先輩はニヤリと笑い、
「君の鞄に、大量のライトノベルが入っていたことを!」
「・・・」

そ、それだけか?…無駄に緊張して損した。
先輩は「どーだ!」と言わんばかりのドヤ顔で、
「そして、君のストラップは、ハル〇だった!」
「いつの間に見たんですか、俺の嫁!」
「…一般人は普通嫁とは言わないと思うけど」
ニヤニヤと先輩が言った。
正直、ムカつきます。はい。
と、いうか
「え、普通言わないんですか?」
「…知らなかったの?何?新手の隠れヲタク?しかも無自覚?」
「だから、僕はヲタクじゃありません!」
「いや、絶対そうだろ。…好きな物は?」
「?ラノベですが…?」
「外出する時絶対持っていくものは?」
「漫画やラノベ、ゲーム、携帯」
「アンソロとか同人は何冊持ってる?」
「…25冊?」
「絶対そうだろーーー!」



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