彼女のご機嫌
「――…最低…」
「分かっててやるとか俺一番最低かもしんな…」
「違う。」
楓…違うの。
楓が悪いんじゃない…楓は“え?”とした顔をしている。
「あたしが最低なの…。あたし妬いてるよ?けど、あたし以外と話さないでなんて言えるわけないじゃん…」
ずっと思ってた。
言いたくて仕方がなかった。
「それに言ったら嫌われるって思ってた…で、いつもイライラしてた。あたし最低でしょ?」
あたしも楓と同じ高さに腰をソッと下ろす。
「はぁ…杏奈はやっぱスゲーな…」