奇跡の花がここに咲く


「ま、その話は置いといて・・・。ユウは普段何してるの?」
その言葉に、俺はどう返すかに迷った。
好きじゃない奴になら「不良だっつうの、文句あるかよ。」と言うのだが、ツツジにはそんな事いえない。
コイツがもし不良を知らなかったとしても、徐々に知識は徐々に戻ってくるから、いつか分かってしまう。

俺は見た目こそ不良に見えないが、喧嘩してる事がばれたらきっとツツジは俺のこと嫌いになる。

人に好き嫌い言われても気にしなかった俺が、ここまで戸惑ったのは初めてだ。

散々悩んだ末に出した答えは・・・

「まあ・・・そこらへん歩いたり、遊んだり。」

・・・嘘をついてしまった。
確かに一人でぶらついている時もあるが、大抵は喧嘩だ。

ツツジは、納得がいったように「ふーん・・・」とうなづいていた。
俺は・・・ツツジに嘘をついた。

もっと悪く言えば・・・ツツジを騙した。

騙した。その言葉に自己暗示にかかったのか、俺は勢いよく自分の膝を机代わりに叩き、付け足すように言った。

「喧嘩ッ!喧嘩もしてる!」
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