奇跡の花がここに咲く
いきなり大声で言ったせいか、ツツジは驚いたように口を開けている。
嫌われるかもしれない。
軽蔑されるかもしれない。
そう考えると、呼吸が激しくなった。
「喧嘩って・・・」
「人と殴り合うんだよ。相手が倒れるか、逃げるまで殴り合うんだよ。実際、俺も何回も人殴ったから。」
「えっ・・・?」
ツツジの口から出た声が、悲しそうな声に聞こえた。
はぁ・・・。終わった。
まあ、どうせ嫌われるんなら、俺のほうから行っちまおうか。
「俺のこと、嫌いになった?」
「あ・・・いや・・・」
戸惑ってる。
相当やばい状況になってきた。
「嫌いになったなら・・・言っていいんだぜ?俺は・・・」
ここで終わらせようと思っていた。
いや、100%終わらせる気だった。だが、
「い・・・嫌だッ!」
素早くベットから這い上がって、俺の手を掴む。
「じゃあ・・・なんで昨日僕をここまで運んでくれたの?」
「それは・・・」
好きだから。
好きになってたから。