奇跡の花がここに咲く
何が・・・同じなんだ?
「残りあと少ししか生きられない人は、以前よりもいい思い出を作って死ぬ事を望んでる人のほうが多いんだよ。だから多分、この病気は、思い出が全部消えちゃった僕をユウと出会わせるために、思い出をたくさん作るために神様が送ってくれた派遣社員なんだよ。」
パンを知らなくて何で派遣社員知ってんだよ・・・。
でも、この言葉を聞いていると、何故か軽くなれるような気がする。
「お前って何気に説得力あるんだよな。」
「セットクリョク?」
なるほど、これも知らないのか。
でも、いくら説得力があるとしても、あと6ヶ月でツツジが死ぬ事に変わりは無い。
好きにさせといて・・・先に死ぬのは反則だろうが。
心の中でそう言った俺は・・・ツツジを抱き締めた。
「?」
何これ、と言いたげな顔でツツジが見てくる。
「・・・癌患者の中には、余命が過ぎても生きてる奴がいるんだよ。」
「・・・ユウ?」
「お前も、それぐらいまで生きてみろよ。・・・もし死んだら、墓参りに行ってやらねぇからな!」
「・・・・。・・・おう!」
男らしくツツジが返事する。
抱き締めていた手を話すと、ツツジがグットマークを突き出して言った。