奇跡の花がここに咲く

「真央も大変だよなぁ。」
「え!」
つい、その名前に反応してしまう。
「そ・・・そいつって、どこにいるんだよ。」
「隣の部屋。今日初めて話したんだけど。」
手招かれるまま、隣の部屋をのぞくと、女子が一人、ベットに座って誰かと話している。
両腕が無い。

アイツが・・・神無月 真央・・・。
確かに、綺麗な顔立ちだった。
しかし、そいつと話している相手に目をやった時、俺は仰天した。

・・・弘だ。

いつものように、無表情な顔で話している。

「またボロボロになってる。いつも何の実験してるの?」
「・・・別に、気体の実験だ。」
嘘だ。
いつもうでの実験してて、心の中で名前呼んでたくせに。
「腕は、大丈夫か?」
「うん。ありがとう、心配してくれて。」
「心配は・・・してない。」
なるほど、と、俺は思う。
あの腕は、きっとあの真央ってう奴のために造ってたのかもしれない。

「ツツジ。」
「?」
「あの2人って・・・」
「ああ、真央が言うに、恋人なんだって。」
やっぱりか・・・。
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