奇跡の花がここに咲く
ツツジの部屋に戻ると、今日、ツツジが真央と話したことについて聞く。
「何かね、2週間くらい前に真央から好きって言ったらしいよ。そしたらオーケーされたんだけど、いつも来てくれるものの無表情で、気遣ってオーケーしてくれたんじゃないのかって真央が言ってた。」
「へぇ・・・。」
よりに寄ってあんなのに告白する真央も凄いと俺は思う。
と同時に、俺は敗北感を感じた。
今まで女が出来ないと見くびっていた相手に負けた。といっても、それは付き合いの早さでと言う事だ。
「・・・おーい、ユウ?」
ボーっとしていた俺の前で、ツツジが手を振る。
そういえば、ツツジにはまだ「好き」って意識を持たれてないんだっけ。
「ん・・・あぁ。」
「・・・どうした?」
「何でもねぇよ。」
それだけで済ませた。
この場で好きと言っても、ただの空気が読めない男だ。
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ツツジの部屋を出た後、病院を出ると窓に向かって手を振った。
そして入り口に目をやると・・・
ゲッ!弘が出てきた。
弘もこちらに気付いたのか、目を丸くする。
弘はそのままこちらに寄ってくると、またもヒソヒソと話しかけた。
「・・・見てたのか?」