奇跡の花がここに咲く
告白
学校を出た後、俺はしまったと思った。
まだ弘に謝っていない。
腕の事で殴ったわけを話したら謝ると言ったのに、そのまま学校を出てきてしまった。
・・・ま、いいか。
適当に済ませて、ツツジの部屋に向かう。
すると、いきなり向こうからツツジが走ってきた。
何やら顔が焦っている。
「ユウッ!」
そう叫んで、俺に抱きついてくる。
「お・・・おい、どうし・・・」
「助けてくれ!アイツが来る!」
今にも泣きそうな声でツツジが言った。
こんなの初めてだ。
「お・・・落ち着けよ。」
ツツジをなだめると、どうして逃げているのかを聞いてみた。
「父さんが・・・アイツを連れてくるって・・・。さっき携帯で・・・」
「アイツって誰だよ」
妙に必死な声を出しながら、ツツジに尋ねた。
「・・・母さん・・・。」
「お袋?朝顔 百合のことか?」
「ううん・・・新しい母さん。父さんが・・・サイコンしたんだって。」