奇跡の花がここに咲く
「再婚?」
新しい母親に何かされているのかを思い、ツツジの腕や足を見てみるが、特にこれと言った外傷が無い。
「あいつが来たら・・・僕、朝顔じゃなくなっちゃうよ。」
「?親父の苗字じゃないのかよ。」
「父さんは速水。母さんの苗字が朝顔。僕は・・・母さんの名前が好きだから。」
そんな理由か、と呟いた俺に、ツツジが恐怖の表情を浮かべた。
「それだけじゃないよ・・・。」
ツツジを見ると、今までに無いくらい真っ青な顔になっている。
「この前もお見舞いに来てね・・・その時、『あなたが死んでも忘れないからね』って言ってくれたけど、その時の表情が・・・何か凄く嬉しそうだったんだ。」
その声から、その時の様子が伝わってくるような気がし、不意に弘に睨まれた時のような寒気が走る。
その時、ツツジの部屋の方から、男女2人が歩いてきた。
「ツツジちゃん、ダメでしょ。部屋の外に出ちゃ。」
その声を聞いて、ツツジの顔は更に青く染まる。
なるほど・・・アイツがツツジの言ってた新しい母親か。
ツツジから話を聞いていたせいか、そいつの顔が悪巧みしているような顔に見える。