奇跡の花がここに咲く
唇を放してやると、ツツジはいつも通りのキョトンとした顔でこちらを見た。
「・・・今の・・・何?」
こういわれる事は想定内だった。
「好きの気持ちって奴だよ。」
「す・・・き?」
オウムのように言葉を繰り返してから、ツツジは首を傾げる。
「男が好きな女にすることだよ。」
簡単な説明がそれしか出てこなかった。
恋愛経験なんて無かったから、いまいちどういう説明をしたらいいのかが分からない。
こういうことは健が一番詳しいんじゃねぇの?
「・・・それは、ユウは僕の事が好きってことなのかな?」
自分で言うなよ。
可愛く見える(まぁ、可愛いけど)じゃねぇか。
「そーゆーこと。」
軽く返事してやると、ツツジは少し照れたような顔で言った。
「僕と・・・同じだな。」
その言葉は、ツツジの表情からしても分かる。頭に浮かんだのは二文字の言葉。それは、
『両想い』