奇跡の花がここに咲く

「ドコに行きてぇの?」
「送ってくれんの?」
「・・・あぁ。」
「本当!?」
喜んだ目が輝いて目立つ。

相手が言いたい所は211号室。
幸いにも、フロントの真上だ。
個室は電気がついているらしく、明るいからすぐ分かると言っていた。
取り合いずおぶってやると、思っていたよりもずっと軽く、すぐに持ち上がった。
そして思う。

コイツは超貧乳だ!!

ツルペタでほとんど無いに近い。

「・・・て言うの?」
「?」
「名前、なんていうの?」
「・・・中山 優。16歳。」
優しいと書いて優。そう言ってやると、
「優しい・・・?・・・じゃ、ユウでいいや。」
コイツ馬鹿なのか?確かにユウとも読むが。
「スグルだっての。」
まあいいけど。どの道俺は、名前とは真反対だし。
「お前は?」
「?僕?」
僕って・・・お前女じゃねぇのかよ。
「僕は・・・ツツジ。朝顔(あさがお) ツツジ。僕も16歳。」
苗字も名前も植物の名前。
変な名前だと俺は思う。
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