奇跡の花がここに咲く
三章:事件に一輪

月曜日・・・

また学校かという憂鬱な気分になりながら、フラフラと学校に向かう。
校門をくぐり、校舎に入ったとき、いきなり弘が走ってきて、俺の手を掴んで引っ張って行った。

「な・・・何だよ。」
「・・・君、これはどういうことだ。」
「?」
俺が首を傾げると、弘が一枚の紙を目の前に突き出した。
学校の記事。
内容にはこんな事が書いてあった。

『女持たずの中山君についに彼女が!?相手は記憶喪失の少女』

・・・何だこれ・・・。

普通は彼女が出来たってこんな記事にならない。
しかし、俺は今この高校では数少ない彼女持たずだから、こんな記事に載ったのだ。
しかもご丁寧に写真まで・・・!

ん?この写真、どこかで・・・。

移っているのはツツジと病室で喋っている俺。
それを見て気付いた。

3日前、あのシャッター音の正体がこれだったのだ。

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