奇跡の花がここに咲く
放課後になり、俺は一人で拓馬を体育館裏に呼び出した。
「優ー?何だよ、話って。」
いかにも軽い表情で拓馬が歩いてくる。
「一週間前のあの記事・・・あれ、お前がやったのか?」
それを聞くと、何も無かったような顔で拓馬が言った。
「は?何で?そんなことするわけ・・・」
俺だって疑いたくなかった。
しかし、やむ終えず、拓馬のメアドが記されたパソコンの画像を写した写メを突き出す。
「記事のメールが送られてきた時のメールアドレス。これ、お前のじゃねぇの?」
違う。
違うって言ってくれ・・・・。
声には出さず、歯を食いしばった。
「あぁ・・・そうだよ。」
これが後悔したような顔だったらまだいい。
しかし、拓馬は何とも思っていないような平然とした顔つきだった。
「やっぱばれちゃったか」
何とも恐ろしい・・・そんな表情が、拓馬の顔面に映っていた。