奇跡の花がここに咲く

何か棒のような物で殴られた。
頭に衝撃が走る。

「ッ・・・・」
一瞬ふらついて、後ろを見た。
同じ学校の制服。小さいパイプを持った男だった。

更に周りを見れば、3,4,5・・・いや、6人の男に囲まれている。
拓馬は名前が広く、知り合いが沢山いるんだった。

しかも・・・皆武器持ち・・・。

こっちは携帯以外何も持っていない。

6対1・・・

相手が素手ならまだしも、武器を持ってるんじゃ勝てるかどうか分からない。
くそ・・・。
唇をかみ締めて、誰かから武器を奪うチャンスを待つ。

そして、ついに周りが襲い掛かってきた。
もう破れかぶれだ!

集団の中に飛び込まないように、襲ってくる一人ひとりを相手にした。

一人目の一番小柄な男の手首を持ち、想いっきりひねった。
男が悲鳴をあげて転がる。
それで気が揺るんだせいか、横から来ていた拓馬に気が付かなかった。

ビッ!

右頬から鮮血がこぼれた。
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