奇跡の花がここに咲く
そう決意し、集団の中に飛び込もうとした時だった。
「おい待て!」
俺の隣に立ったのは・・・健。
「ツツジちゃん、意識不明なんだってな。橘の彼女が言ってたんだろ。橘から聞いた。」
健がこちらを向いて笑う。
「行って来いよ。選手交代だ。」
俺の背中を押すように、健が背中に手を当てた。
「早く。」
こくりと俺はうなづき、走り出した。
とっさに、あの中にいた一人が俺を追おうとした。
だが、その大きな体が、何者かによって投げ飛ばされた。
「6対1なんだ。追うのは勘弁してやれ。」
「ひ・・・弘・・・。」
背の高い弘も参戦してきた。
「6対2。多く倒した方が勝ちだぞ?」
「よーし、負けたら何かおごれよ。」
呑気な2人の話し声と共に、爆竹が弾ける音がした。
弘が投げた物だろう。
心の中で礼を言って、俺は病院に走り出した。