奇跡の花がここに咲く
祈りと現実
小さい体で、息を切らしながらも俺は走った。
ツツジ・・・・
死ぬなよ・・・
『癌なんてジョートーだっつうの!』
そうだよ・・・
癌なんて上等だ・・・
『僕は、ユウが好きなんだ!』
それはこっちの台詞だっつうの・・・・
俺だって・・・・
今まで聞いてきたツツジの言葉一つ一つが浮かんでくる。
走っている最中に、視界が潤んだ。
そして、それが零れ落ち、頬を伝う。
・・・泣いた・・・。
俺は泣きながら走っている。
かっこ悪かった。
でもいい。
かっこ悪くても、強く構えてれば・・・。