奇跡の花がここに咲く
目を半分開けてみると、皆の顔があった。
姉貴はいつもキレイにストレートのかかっている髪が乱れ、健は瞼辺りが少し腫れていて、弘は頬にシップを張り、いつもの暗い表情ではなく、必死な顔になっている。
真央は手の無い腕を動かし、俺の前で振る。
俺が目を開けると、皆の顔が明るくなった。
「優ッ!」
「中山!大丈夫か!?」
「ひやひやさせやがって!」
皆の声が聞こえる中、ここはドコだと尋ねてみる。
「病院。お前、ここに来る途中、飲酒運転のトラックにはねらて・・・7日も眠ってたんだぜ。」
「7日・・・」
そう呟いた後、俺は最優先すべきことを思い出す。
「ツツ・・・ジ・・・は・・・?」
姉貴が何か言う前に、俺はベットから飛び出して、痛む体を動かしてツツジの部屋に向かう。
211号室を見つけ、勢いよくドアを開けると、そこには驚きの光景が広がっていた。