奇跡の花がここに咲く
夜になって、ベットの中でうずくまっている俺の横に寄り添い、姉貴が言った。
「・・・ツツジちゃんのこと、残念だったね。」
何が・・・分かるんだよ。
心の中で悪態を付いた時姉貴がこんな事を言った。
「お前それで、強く構えてんのか?」
その言葉に、俺はハッとさせられた。
「聞いてたんだ。電話越しに怒鳴られてんの。それ聞いたとき、強い奴だなって思った。」
そのまま、姉貴は喋り続ける。
「お前、そんなこと言われても、まだ弱弱しく泣いてるつもりかよ。」
その言葉で、俺は涙が止まった。
『ユウは僕より・・・ずっと強いんだからな!』
強い・・・か。
その言葉を繰り返すと、俺は何を思ったのか、受付においてあった植物図鑑を持ってくる。
そして、ツツジ科のページを開いた。
「何してんの?」
聞いてきた姉貴に、俺は言ってやった。
「探してんだよ。
奇跡の花を!」