奇跡の花がここに咲く

そんな時・・・・
「お、いたいた。」
部屋が分かったのか、拓馬と健が入ってくる。

「ん?・・・優、誰この可愛い子。」
「患者だよ。ここにちょっといさせてもらっててさ。」
「ふうん・・・。」
健がじっとツツジのほうを見ると、ヒソヒソと俺に呟きかけた。
「やべぇ、ガチで可愛いわ♪俺の好みかも。」
「お前彼女いるじゃねぇか。」
「てへ、ゴメン。」
ふざけたつもりと分かると、俺もホッとする。
「じゃあ・・・俺ら帰るわ。」

そう言って背を向けようとして、俺は立ち止まった。
「・・・明日、来ていいか?」
それを聞くと、ツツジは嬉しそうにコクコクとうなづいた。
病院を出ると、窓からツツジがこちらを見ている。
手を振ってやると、向こうも振って合図してくれた。

「お前、あの子が好きなのか?」
「・・・わ・・・悪ィかよ!」
「別に~。ま、好きなら頑張れよ。彼女いない暦16年。」
拓馬の奴、バカにしてんのかよ。
「うるせぇな!彼女じゃなくて好きな奴がいねぇんだよ!」
つまり、ツツジが初恋な訳だ。

「顔のいい奴って、結構初恋遅いもんなぁ。」
「何が」
「お前の事。」
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