ごめんね、先生。
「鹿島はこつを掴むのが苦手なんだよ。」
「こつ??」
「そう、こつ。」
先生はいつも親身になって話を聞いてくれて、その度にすごい好きだなって思う。
「せんせー。」
「あー??」
分かってる。
あたしのことは“生徒”としか見ていないことを。
でもね、先生。
あたしは先生の事をもう“先生”以上の目でみてるんだよ??
「アドレスおしぇーて。」
本気で言ったのに冗談だと思い込んだらしい。
「じゃあ今度の小テスト満点だったらいいよ。」
「ほんと??」
「本当。ってことで勉強勉強!」
先生は手を振って数学準備室に行ってしまった。
満点…
小テストとはちょくちょく授業のときにやるテストで50点満点のテスト。
勉強すれば満点はとれる…
幸い範囲はあたしが苦手ではない数Ⅱの範囲。
「これは、」
満点とるしかないか。