ごめんね、先生。
……2nd
それは、本当に偶然というか。
あたしの失態から起きたものだった。
アドレスと電話番号を知ってから一度も連絡をしてない。
やっぱりためらいがあって。
できないままだった。
「ねー美咲聞いた?!」
「何を??」
友達の頼子がおもしろそうに話しかけてきた。
「大高先生のはなしっ!」
大高先生…
名前を聞いただけで胸が高鳴る。
「大高先生が…どうしたの??」
「なんかね、現文の有川とできてるらしいよっ。」
すごくない?!
最後に頼子が言った言葉は聞こえなかった。
目の前が真っ暗というか。
ショックだった。
有川先生は綺麗で、すごくいい先生。
でも…
「…きっ、美咲!!」
「あ、え??」
「え、じゃないよ。もう放課後??帰んないの??」
どうやらぼーっとしたまま放課後になってしまったらしい。
「あー、先帰ってていいよ。」
「ん、わかった。じゃあね。」
「うん。」
図書委員のあたしは、放課後ちょうど当番で残らなければならなかった。