ごめんね、先生。
『で、どこのトイレ??』
笑いきったのかハァハァいいながら聞いてくる。
「特別棟の…3階。」
『すぐ近くじゃん。今いく。』
そう言って電話の向こうから立ち上がる音が聞こえた。
「せんせっ…」
『ん??』
優しい声。
「暗くて、怖いから…電話繋いでて??」
暗いところはあまり得意じゃなくて。
先生の声だけが頼りだった。
『了解。』
外からはパタパタという音が電話の向こうから聞こえる音と連動して聞こえる。
パチッと電気がつきがちゃりと音がした。
「『鹿島。』」
実際の声と連動する。
先生を見た瞬間涙が溢れた。
「っ…!!」
そして思わず抱きついてしまった。
先生は何も言わず優しく頭を撫でてくれた。
「大丈夫。大丈夫だぞ。」
安心させるように心地いい声。
そのせいでまた涙が溢れる。