*脱ブス!*




-キーンコーン

-カーンコーン…




「きりーつ、れー。」


ダルそうな号令がかかった。


「さよならーっ。」



口々にテキトーな挨拶をして

放課後になった途端、
また周りは騒がしくなる。




私はバッグをそそくさと抱え、
教室を出ようとした。




すると、1人の男子生徒が
教室に走り込んでくる。


その出会い頭だった。






ドガッ!




うっ。。。




そのとたん、
私はしりもちをつきバッグが飛ぶ。





きょ、う、は、

よくぶつかるなぁ…イテテ…




そう思って顔を上げた時だった。



ぶつかってきた男子が
衝撃では転ばなかったのだろう。


私をギロリと睨んでいる。






「邪魔なんだよデブ!!」



やはりその言葉。



私はまたうつむき、

ゴメンナサイ

と何にも悪くないのに
小さく呟いた。





しかし、





「ちょっと!岡田!
アンタがぶつかったんでしょ!?
謝んのはアンタの方よ!」



突然の発言。




私はバッと振り向いた。




細身の長い髪の女子。


仁王立ちし、腕組みして
私とぶつかった男子を睨んでいる。




岡田と呼ばれた
私とぶつかった男子は



「あぁん?コイツがもっと
細けりゃ通れてんだよっ。
そもそも、こんなデブがいる…」

とかなんとか、
私に対する罵倒を浴びせていたが、

私はそれどころじゃない。








…かばってくれた。





…でも、なんで?




< 5 / 6 >

この作品をシェア

pagetop