君に聴かせたい
「由里...」
「ん?」
「麻梨のこと詞にしてくんねえかな?」
「えっ?」
「俺は一生忘れない。
ただこの想いを曲にしてベースを奏でたい。
もし同じ感情を持ってる奴がいたら、そいつらに届けたいんだ」
由里の頬に涙がつたう。
「悲しみは拭えない。
でも共有することは出来る。
おまえ1人じゃないって」
由里は涙をぬぐった。
「...うん、わかった」
しばらく沈黙のあとこう続けた。
「麻梨ちゃんが言った涼太の優しさってこれだね、きっと」