君に聴かせたい

「ベースラインだけど、リフとシンコペだけ守ってくれればあとは変えていいから」




もちろんそうするつもりだ。




人の作ったラインを弾いたってそれじゃただのコピーだ。





「練習は明後日の18時。

アルビレオのC室。

涼太だってそうそう学校サボってられないでしょ?」




由里は初めて楽しそうに笑った。




その笑顔はまるで欲しいものが手に入った子供みたいで、同時に直視できないくらい眩しかった。

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