君に聴かせたい

「今はサポートとして入ってくれてるの。

でもあたしは涼太のベースが大好き。

本当のシネマは彼が入って完成すると思ってる。

だからみんなにも判断して欲しい。

どっちのシネマがいいか」




おいおい何ぶっちゃけてんだ。



そんなこと言う必要ねえって。



客の視線がすべて俺に集中してる気がした。





「ふん、くだらねえ!」


これ見よがしに大きな声が聞こえた。


次に客席の扉が一旦開きすぐに閉まった。


おそらく恭司たちだろう。




由里は何事もなかったかのように笑顔で言った。



「じゃあ次の曲聞いてね「マテリアル」」


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