君に聴かせたい
龍也の表情が変わったのがわかった。



「俺に遠慮してんのか?なめんじゃねえよ。

おまえの力なんか借りなくたって俺はプロになってやる。

シネマに負けねえバンド組んでやるよ」



不意に立ち上がると捨てるように言い放った。


「今日でライズクロスは解散だ。

他のメンバーには俺が言う。

わかったな!」



そのまま駅へと歩み去っていく。



「龍也!!」



思わず叫んだ。



「涼太、おまえのベースは最高だ。

シネマなら最大限に生かせる。

それ以上の理由があるかよ」




笑顔でそういうと人ごみに消えていった。

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