君に聴かせたい

「拓海もそう感じたみたいで、いつか絶対にシネマに迎えたいって。

そんなときに恭司の事件があって脱退することになって...」




なるほどな、前に言ってたのはこれか。




穴埋めなんかじゃないって散々言ってたよな。




「ありがとな由里」




「えっ?」




「なんでもねえよ。帰ろうぜ」




肩を軽く叩くと、由里は大きくうなずいてまたちょっと後ろを歩き出した。

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