君に聴かせたい
麻梨は受け取ると何かをこらえるように下を向いた。




「あっありがとう、すごいうれしい...大切にする」




「落ち着いたら連絡くれ」




「...うん。携帯もアメリカで使えるやつにしたから...」




「そうか。それじゃメンバー待たせてるから」




「うん。涼太、ほんとにありがと」




先に歩き出し、駐車場が見えなくなりそうになったとき一度振り返った。




とっくにいないものと思っていた麻梨は駐車場に座り込み両手で顔を覆っていた。

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