恋ごころ*中学生恋愛*
そのとき、佐野先輩の書いた学校紹介が流れた。
"俺らの部活は出来たばっかりです。初心者も多いし、期待されてる部分は少ないと分かっています。"
期待…
そうだよね。
"でも、チームの息のピッタリさはどこにも負けない。先輩が後輩に合わせ、後輩が先輩に合わせる。自分の演技よりも、仲間の演技を磨く。"
みんな、何も言わなかった。
ただ、感動して。
"そうしたことで生まれた俺らの演技。きっと、これから注目せざるを得ないだろう。どうぞ、ご覧ください。"
文才が素晴らしいからか、前よりも拍手が起こった。
そして、私たちは演技を行った。
衣装係とかがいない分、すごく疲れたけど。
『好きだ…愛してる…お前を、壊してしまいたいほどに。』
『私もよ…だけど、いつまでも一緒にいられない…』
『どうすることもできないのか、俺らの愛は』
『じゃあ、2人で同じ世界へ行きましょう、愛しているわ…』
『愛しているよ…ハナ』
ここで暗転、佐野先輩は倒れたまま、千晴先輩は戻ってくる。
『(ナレーション)そして、王子はたくさんの花に囲まれ、そしてその花を抱きかかえるように眠っていた。』