恋ごころ*中学生恋愛*
これが言えたらいいのに。
「好き。」
これしか出てこない。
いいの。
これだけでも、私の気持ちは詰まってるから。
「フン…そうゆう照れた顔も、可愛いよ。」
病院の建物の陰。
見つめ合う、男女。
大好き――…。
先輩。
「先輩ありがとう、大好き。」
「…言わなくても、分かってるよ。」
先輩は顔をさらに近づけた。
顔にかかる吐息が、心地いい。
「先輩、好き。いつまでも一緒にいて。」
私は欲張りになったかも。
先輩のすべてが欲しくて。
必要で。
それはきっと、先輩も同じ気持ち。
重なった唇から、伝わった気がした。