colorful -カラフル-
結局学ランにバスケットゴールを使われ、終わるまで待ってることにした。バスケを見ているのは楽しい。が、思ったより早く飽きてしまった。ちょうど寒くなってきたし、俺は近くの自販で暖かい飲み物を買って来ることにした。コーンポタージュとか、おしることかあったけど無難にミルクティーを選んだ。財布の中を見ると、小銭がたくさん余っていて、ついでに学ランにも買って行ってやることにした。
公園に着くと白い息を上がらせながら、片手でシュートをうっていた。俺はその姿に思わず、足を止めた。
「…?帰ったんじゃなかったのか?」
そんな俺に気付くと学ランは話を振ってきた。
「終わんの待ってたんだよ。遅いから。」
「あ、ごめん。」
本当はそんなに気にしてなかったけど、悔しかったから憎まれ口を叩いてやった。そして申し訳なさげに俺に走り寄った学ランに、買ってきたミルクティーを渡した。学ランは言葉通り目を丸くしていた。
「疲れただろ?」
渡してから気付いた。俺は寒いかもしれないけど、学ランは今まで動いていたんだから、暑いに決まってるだろ?
「…ありがとう。」
気が効かなかった自分を責めていると、学ランは小さな声でボソッと言った。俯いていたが、顔を見ると少しだけ笑っていた。