君を想うと~Special event~
カワイくない。
やっぱり仁はかわいくない。
大人げなく二人でにらみ合っていると。
「じゃあそろそろ行こうか。美織、おいで~。」
高宮がキッチンから美織に声をかける。
「は~い♪」
元気に返事をすると、美織は俺のヒザの上からピョコンと飛び降りて。
タタッとかわいく小走りをして、高宮のそばに走りよっていった。
―は!?
行くってどこに行くんだよ、高宮!!
俺とこのクソガキを二人っきりにさせる気なのか!?
不安になりながら仁を見ると。
仁はニッコリ笑いながら高宮と美織に手を降っていた。
「うん、安心して行ってきて?
僕たちも、もう少ししたら出かけるから。」