君を想うと~Special event~
か、かわいくない。
この呆れたように人を見る目つき。
計算高そうなしゃべり方。
まるで小さな桐谷慎だ。
DNAとは恐ろしい。
親子ってここまで似るモノなんだろうか。
ハァ~と大きくため息を吐いて仁を見ると。
「さっさと着替えてこいよ。俺、先に駐車場に行ってるから。」
そう言い残して。
ソファーにあった小さなダッフルコートを羽織ると仁は部屋を出て行ってしまった。