君を想うと~Special event~
「慎っ、ゴメン。ゴメ…、オレッ…。」
「あ~、大丈夫だからもう泣くな。俺は心配だっただけだよ、オマエがさ。」
俺の腕の中で鼻水ジュルジュルさせながら。
キレイな顔をグジャグジャにさせて泣きじゃくる、仁。
変だなぁ、俺って。
朝、起きたときにはムカつくだけのガキだったのに、今はこんなにコイツが愛しい。
生意気で
変に大人びてて
妙にイケメンで。
俺のことはキライなクセに
恐竜が好きで
高宮のコトが大好きな、このクソガキ桐谷仁は…
俺にとって大切な宝物のような気がした。
父親の実感なんて全くないけど。
俺の腕の中にいる小さなカワイイ生き物を守りたい、慈しみたいと思う気持ちは…ホンモノだと思えた。