3人の恋人!?
『・・・そして、このYを移行して・・・』
今は数学の授業中。
あの〔イッシー事件〕の次の授業なんだけど・・・
・・・全く集中できない。
《キーンコーンカーンコーン》
今日は家で復習しよーっと!
『起立、気をつけ、礼。』
「ありがとうございましたぁ」
授業が終わり、先生が教室を出たと同時に・・・
『帷梭ぁ!』
琉波がこっちに駆け寄ってきた。
櫻井琉波(さくらいるなみ)
こげ茶色のストレートで長い綺麗な髪が印象的な「美人」という言葉が似合っているあたしの親友。
中学からの付き合いでお互いなんでも相談できる仲。
琉波は見た目からは想像がつかないほど、
強い。
中学の時、同じクラスの男の子と喧嘩して、その子を殴って校長室に呼び出されたこともある。
もしかしたら・・・そこら辺にいる男よりもたくましいかもしれない。
まぁー、その話は置いといて・・・
琉波の家柄も裕福。
琉波は唯一あたしの家柄を知っているんだ。
『帷梭にしては珍しいねー』
・・・はい?
「・・・何が?」
『授業中に寝るなんて』
!!!
「はは・・・ははは・・・」
・・・ごまかそう。
『笑ってごまかせると思うなよ?』
バレた・・・。
「・・・」
『・・・まぁ、いいやっ!それよりさぁー今日の放課後空いてる?』
「今日?空いてるよ?」
『よっしゃっ!じゃあ・・・買い物に行くぞ!!』
「うん!・・・って、えぇ!」
い、いきなり!?
『何?何か文句でも?』
「い、いえ・・・な、何も?」
・・・やっぱり琉波には逆らえない。
『じゃあ、6時に校門前集合!」
「おう!」
どーせなら・・・楽しまないとねっ!
『よろしい!じゃあー詳しくはメールする!』
「了解」
《キーンコーンカーンコーン》
・・・チャイム、鳴っちゃった!
同時に
世界史の先生が入ってきた。
琉波も先生に気づいて急いで自分の席に着いた。