黒猫 - 迷子の不良黒猫ちゃん - 【完】





『でも、なんで[魔女]なの?』


私が言うと




「魔女、ってね。童話とか、おとぎ話でも悪役が多いの。
魔女=悪い人って思いやすいじゃない。」



たしかに、魔法を使って悪いことをする。ってイメージが強い。



そして麗はこう続けた。




「でもね、良い魔女もいるはずよ!だからね、私がその“良い魔女”になりたいの!」



そう言った麗は
ただただ真っ直ぐだった。





『分かった。じゃあなんで私は[黒猫]なの?』


「猫みたいだから。」


『………。』


「り、鈴?」


『うん。まあいいや。』








その日、初めて夜に街に出た。





その日も満月だった。








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