黒猫 - 迷子の不良黒猫ちゃん - 【完】
ひとしきり笑った私達。
『笑いの提供ありがとう。ポチ。』
「提供した覚えがないんすけど……!!」
なんか真面目な話から脱線していったな。と思っていると
ポチが私を指差して
「あれ?九条さん。眼鏡はどうしたんすか?」
と言った。
『龍に取られた。』
私は龍の胸ポケットに入っている瓶底眼鏡を指差して言った。
「あー…。九条さん、眼鏡してなかったら綺麗ッスもんね。」
『綺麗じゃない。平凡。』
「無自覚ッス……!!」
いや、無自覚じゃないし。という意味を込めて、手を左右にブンブンと振った。
すると、
ポチは、あ!となんか思いついた顔をした。
「九条さん、前髪をピンで留めたら良いんスよ。」
といって、私の前髪をピンで留め、
「よし、できた!ホラ、良くないッスか?」
私の肩を掴み、グルンと半回転させ、龍たちの方を向かされた。