黒猫 - 迷子の不良黒猫ちゃん - 【完】




だけど気になって、チラッと振り向くと


「キャーッ!こっち見たわ!」

「シャッターチャンスよ!」

「こっちも向いてくださいー!」



パシャパシャッ、と写真を撮られた。

フラッシュで目がチカチカする。




………なんなんだ。




「バァカ。振り向くからだろ。」


『うん。目がチカチカする。カメラって武器になるんだね。初めて知った。』


「顔が良いと、女はすぐに騒ぐから嫌いだ。」



心底嫌そうな龍。


てゆーか、その発言は自分は顔が良いと認めてるんだね。




『……私も女なんだけどね。』


ボソッと、後ろの女の子たちに聞こえないように小声で言うと



「鈴は良いんだよ。」


と、頭を撫でられた。





なんか、無条件に嬉しかった。


龍に好かれていることが。








< 167 / 212 >

この作品をシェア

pagetop