黒猫 - 迷子の不良黒猫ちゃん - 【完】
だけど気になって、チラッと振り向くと
「キャーッ!こっち見たわ!」
「シャッターチャンスよ!」
「こっちも向いてくださいー!」
パシャパシャッ、と写真を撮られた。
フラッシュで目がチカチカする。
………なんなんだ。
「バァカ。振り向くからだろ。」
『うん。目がチカチカする。カメラって武器になるんだね。初めて知った。』
「顔が良いと、女はすぐに騒ぐから嫌いだ。」
心底嫌そうな龍。
てゆーか、その発言は自分は顔が良いと認めてるんだね。
『……私も女なんだけどね。』
ボソッと、後ろの女の子たちに聞こえないように小声で言うと
「鈴は良いんだよ。」
と、頭を撫でられた。
なんか、無条件に嬉しかった。
龍に好かれていることが。