黒猫 - 迷子の不良黒猫ちゃん - 【完】
『離れないと、ダメかな。』
たぶん私は恋をしていて
龍といると楽しいし
龍に想われているのは嬉しい。
龍の真剣な瞳で見つめられると心臓が変になる。
ーー…龍が、好き。
それは告白されたときから薄々感じていた。
そして、自分の気持ちに気づいた今、思ってしまっている。
ひとりは嫌だと。
龍に想いを……好きだと伝えて、もうひとりになりたくないと。
でも、それは、麗を裏切る行為。
裏切ることはしたくないから
泣かせたくないから
自分の気持ちは押し殺して、私はひとりでいる。