黒猫 - 迷子の不良黒猫ちゃん - 【完】
「ヒャーハハーッ![黒猫]さんよ、俺らの族を潰した落とし前、キッチリつけてもらうぜー!」
頭がそう言うと、周りの奴らはジリジリと私に寄ってくる。
いくら大きな倉庫とはいえ、二百人もの人が入っているため、おのずと狭くなる。
逃げる場所は、ない。
「ヒャーハッハァーッ!お前が自由に動ける場所は、狭いだろうよ!」
頭の言葉に、私はニヤリと笑みを浮かべた。
『知らないの?猫ってね、狭い場所を好むんだよ。』
私はそう言うやいなや、地面を蹴って周りの不良を手当たり次第に倒しだした。
それを合図に、闘いが始まった。
左右から、前後から敵が来るため、気が抜けない。
殴りかかってきた奴を、回し蹴りをして反対側に飛ばす。
そのままの勢いで、背後の奴にも蹴りを入れる。
相手の人数は、瞬く間に減っていった。
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―――
――――…
『ハッ……ハアッ……。』
「ヒャッハーッ!どうしたよ[黒猫]さん!もう終いかぁ!?」
『ハッ……うるさい。』
人数は、五十まで減った。
しかし、私の体力にも限界がきたのか、体が思うように動かない。